僕のヒーロー~斉藤朱夏さんの"くつひもの結び方"~

1.はじめに

僕はソロアーティストとしてデビューする斉藤朱夏さんを見て、最初は「ソロとしての舞台に飛び出すのは嬉しい」とは思った。

でも、同時に複雑な心境であった。

記憶に新しかった3/21に行われたしゅかランド1stFCイベント「The First Time」で、彼女はダンスを僕達に披露してくれた。

最後の曲目は「This Is Me」

今まで「Aqours」の「斉藤朱夏」としての活動がメインだった彼女の、「これが私だ。」という熱いメッセージを。

一人の表現者としての最高のパフォーマンスとして披露した。

それがあの場所にあり、僕はずっとあのダンスが頭から離れなかった。

しかし、歌手としての「ソロデビュー」。

これは、正直逢田さんのソロデビューなどがあり、きんちゃんのBlooDyeのグループ結成も同時期に行われたので、余計に、「このタイミングで流れに乗ってきたのか……」と思ってしまった。

表現者」としての斉藤朱夏さん。

「歌手」としてソロデビューする斉藤朱夏さん。

この2つが僕の中で全く繋がらなかった。

「どっちが"本当の”斉藤朱夏さんなのか??」

アニメディアなどを中心としたインタビュー記事を見ても疑問が膨らんでいった。

お台場でのフリーライブもよかったが、熱がすぐに冷めてしまったのだ。

それに加えて幼い頃からアニソン歌手としてソロデビューを夢見ていた鈴木愛奈さんのPVを見て、いよいよソロのアニソン歌手としての斉藤朱夏さんが浮かばなくなってしまったのであった。

そして、今回。

僕はこのライブで答えが見つけられなかったら、大人しく斉藤朱夏さんのソロとしての活動に見切りを付ける覚悟でこのライブに望んだ。

2.MCにおける彼女の解答

彼女の印象に残ったのはMCである。

①「このくつひもというアルバムを出すにあたって、私がなぜソロでデビューして、歌を届けたいのか。ライブをしたいのかずっと考えていた。」

と彼女は語った。しかし、

「必死に考えたけど、分からなかった。」

と意外なことを言った。

「でも、みんなの前でに立って、ステージの上に立つのが楽しくて好き。だから、私はソロアーティストとして活動したい。」

「楽しくて好き」

単純で、でも明確な彼女の想い。

僕はソロ活動で斉藤朱夏さんに何を求めていたのか…

自分が楽しくて好きだからこそ、それで見ている人を笑顔にする。

こんなことが分からなかったことに自分の未熟さを感じました。

②「人の出会いってやっぱり奇跡で繋がってて、こうして私とみんなが一緒にこの場にいるのは赤い"糸”で結ばれてるのかなと思ってる。今回、平日にわざわざ来てくれた人も。来れなくなった人も。延期で流れたチケットで来てくれた人も。でも、それを全部"運命”としてずっと自分の中で覚えておきたい。」

この場にいる人、いない人、それぞれいろいろな状況を抱えている。

でも、延期で振り替えという事実を彼女がずっと覚えていてくれることで救われる人も沢山いるのではないかと僕は思う。

③「私って性格が頑固で、完璧主義で、プライドも高くて、完璧なものしかみんなに見せたくないと思ってる。でもみんなの笑顔が私の緊張の"糸”をほどいてくれる。弱い自分も見せてもいいのかなって思うようになった。」

お台場フリーライブで彼女が初めて見せた涙。

それは絶対にミスしない「斉藤朱夏」を真っ当しなければいけないという責任。

これが23歳の彼女にのしかかることがどれほど厳しく辛いことなのか。

そんな彼女が、安心出来る"場所”。

そう言ってくれたことが何よりも嬉しくてたまらなかった。

④「どれだけ辛いなって思うことや、嫌だなって思うことがあっても、絶対に明日はきっといい日になる。」

これには彼女の諦めない心。

明日は必ずいい日になる。

何の保証もなく、無責任な言葉かもしれない。

でも、誰もが持っている弱い自分。

彼女の持っている"弱い自分”も自分の一部であるということを知っているからこそ言えた言葉ではないかと考えている。

⑤「今回の"くつひもの結び方"というタイトルで、どんなふうにくつひもを結ぶのかどう教えればいいのか考えていた。でも、全員に教える必要なんて無かった。元々、みんなが持っている個性、それに合わせて結び方があるから。私が教えられることじゃない。」

これは衝撃的だった。

人は一つのくつひもを結ぶ時にもそれぞれのやり方があり、性格などが現れる。

教えるものじゃなくて、私を見て、自分のくつひもの結び方を考えて欲しい。

そう言ってくれているような気がした。

⑥「どんなに辛いときでも、みんなには私がいる。私がみんなの"一番の"ヒーローであり続けたい。歌を通して、みんなの背中を押したい。ときにはつまづいたり、転んだりしてしまうかもしれないけど、こんな私でも隣にいてくれる?」

言うまでもなく、「ヒーローになりたかった」の前のMCである。

僕からすれば、そんなことを言われる前から彼女はずっとヒーローだが、彼女は自己評価が想像以上に低い。

だけど、そんな彼女が「みんなのヒーローであり続けたい」と言うことにどれほどの覚悟を乗せていたのか。

僕達では全く分からないくらい強いものだったのではないだろうか。

リフレクライトで現れる彼女の「君を照らしたい」というフレーズに見るファンを大切にして、一緒に歩む気持ちが見えて、本当に嬉しくてたまらなかった。

3.表現者:斉藤朱夏と歌手:斉藤朱夏

今回のセトリでは、「くつひも」が2回歌われている。

1回目はあくまでも「歌手:斉藤朱夏」としてのパフォーマンスだったと私は解釈している。

しかし、特筆すべきは2回目のパフォーマンスだ。

大きなくつひも版をモチーフにしたステージで座ったり、寝転んで歌ったり、華麗な動きを見せたりと、まさに「表現者:斉藤朱夏」が「歌手:斉藤朱夏」に融合されたものであった。

歌というのは歌うことだけではなく、どうその歌を魅せるかも重要である。

まさに「くつひも」という曲を歌うことだけではなく、全身で表現しているように見えた。

ダンスで鍛えた表現力。

これが歌を映えさせるためにこれほどまでに生きるとは思わなかった。

もはや、ただの「歌手」など口が裂けても言えず、「アーティスト」と表現するほかない。

このライブが始まった時と終わろうとする時の彼女は全く違うものであった。

僕が追い求めていた「表現者:斉藤朱夏」は死なずに、確かに「アーティスト:斉藤朱夏」として新たな命を燃やしていたのだ。

4.ライブ感想

正直、どの曲もよかった。

と言ったら答えにならない上にズルいので、簡単に振り返っていく。

(1)あと1メートル

出てきて初手でのこの曲は本当にズルい。予想はしていたけど、高まりまくった。

(2)くつひも

先で述べたので多くは語らないが、推し曲の一つなので高まった。

曲調がめちゃくちゃ好きなんだけど、歌詞が飛んでいて舌ペロする斉藤朱夏さんホントに可愛くて好きだ。

(3)誰よりも弱い人でかまわない

「君が好きなんだ」と言うために作られたような弱い自分を認めた上での曲。

凄く染み渡りましたね。

(4)糸

ガチ泣きしてた。

前のMCも相まって、感極まってしまって優しく歌う斉藤朱夏さんを見ていると正直、涙が止まらなかった。

ズルい、ズルい選曲だ……

(5)ことばの魔法

バックバンドの方々が強かったので、原曲と違う意味で凄く刺さってきた。

糸の後にこの曲をぶち込んでくるのホントにズルい。

2番サビ終わってからのパートの力強さは本当に圧巻だった。

(6)リフレクライト

めちゃくちゃ楽しいねこの曲。

マジで、バラード2曲の空気を一変させるポップでキャッチーな曲であり、本当に天才という他ない。

(7)あしたはきっといい日になる

応援ソングとして最高。

めちゃくちゃ前向きな曲で、本当に走り出したくなった。

いろんな所を駆け回って踊るのめちゃくちゃ可愛くて死んでた。

(8)しゅしゅしゅ

ガチで来ると思ってなかった曲。

いきなりぶち込まれて高まり過ぎて、おかしくなりそうだった。

まさか、タオル曲で盛り上がる曲だとは……

タオル買っとけばよかった…ってなってた。

(9)ヒーローになりたかった

先のMCも含めて余計に好きになった。

僕のヒーローはずっと斉藤朱夏さんだよ、ホントに……

(EN1)パパパ

ガチで高まり過ぎて、普通に「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!そり!!!!」ってなってた。

ガチで一番聞きたかった曲だったから聞けてよかったし、コールも楽しいし、最高かこの曲?強すぎるわ。

(EN2)くつひも

やっぱり好き。

アーティスト斉藤朱夏さんの真骨頂とも言える最高の時間だった。

強すぎた……

5.終わりに

なんだかまとまらないまま、このまま締めることになりそうなのですが、僕が今回伝えたいのは、ソロアーティスト「斉藤朱夏」という最高の存在に改めて出会えたということです。

本当に今回のライブはMCも含めて笑って泣いて、彼女の全てが詰まったものだったと思いました。

ソロデビューという決意表明とその解答を自分が待ち望んだ形より上の解答で返されてしまいました。

こんなの好きになるなと言われるのが無理という話です。

これからも一歩ずつ成長していく彼女に負けないように僕自身も頑張っていきたいなと思いました。

と同時に、ここまでブログを見て、

斉藤朱夏さんのワンマンライブ、そんなにいいのかな?」と思った皆様。

3/8(日) Zeep Osaka 3/18(水) Zeep Nagoya 3/21(日) Zeep Tokyo

と、2020年にZeepツアーが開催されます。

ぜひ、ご興味ある方は申し込んでみてはいかがでしょうか?

僕のヒーローである「斉藤朱夏」さんをよろしくお願いします。

10代最後のライブは今まで行ったライブの中で一番楽しくて、幸せな最高の時間でした。

斉藤朱夏さんと、全ての皆さんに感謝を。